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コントロールできない放射能汚染

 福島県全体では2016年2月現在なお9万3千人超の県民が避難中といわれる。その中で南相馬市は避難解除になったとはいえ不安の声が多く、大半の住民が元の住所に帰ろうとしていない。
 年間20ミリシーベルト以下となるように土壌を除染することになっているが、土を削って詰めた黒いビニールのフレコンバッグは福島県内だけで1千万袋以上になり、それが県内12万8千ヵ所に積み上げられている。その土地だけで東京ドームの8.5倍にあたる。

 除染してビニール袋に詰められている汚染土は、いずれ国が定める中間貯蔵施設に移動することになっているが、大半の地権者と合意に至らず予定地は未だに見通しが立っいない。つい先日、担当大臣が地権者の意向をコマメに聞いて計画を進めたいと答弁しているが、単なる希望的観測に過ぎないだろう。中間と言いながら70年の期限が延長されて結局は最終貯蔵施設になる可能性が高いからだ。
 しかも福島県の70%を占める森林は除染しないで切り捨てられることになっている。実際に除染を実施することは不可能に近い。とはいえ森の落葉には、今なお3.3マイクロシーベルトの放射能が残留し、その数量は東京都内の土壌と比べて100倍に当たるという。

 以上の福島県内の放射能処理に関する実態は、3/6朝のテレビ番組「サンデーモーニング」の特集で放映された情報にもとづいている。仮にも福島の原発大事故による放射能汚染がコントロールされているとは言えない。
 福島県の海沿い大熊町・双葉町にある東電福島第一原発に目を転じると、原発内部にメルトダウンした核燃料デブリ(解けた塊)には今なおロボットしか近づけない。また発電容器内や地下の汚染水を汲み上げて敷地内に貯蔵している容量は78万トン、タンクの数は900基になっている。これもまた増えるばかりで、地下水の侵入を防ぐための凍土壁工事が果たして長期にわたって有効かどうかもやってみなければわからない。

 先に青森県六ヶ所村の「核燃料サイクル」施設も「神話」づくりの国策に過ぎないことを報告したが、今回の放射能の汚染処理についても全くメドが立っていないにもかかわらず、原発の再稼働だけが進められている。目先の欲と計算に惑わされた好い加減な計画と言わずにいられない。国民一人ひとりが無知無関心のままでいると、数十年先でどんな結果になろうと誰も責任を取る者はいなくなる。それを見越して平気な政治家や官僚が大きな顔をしてノシ歩いているのが現実である。
 そして何よりも核分裂を発生させる科学技術が、後始末できないままに暴走した結果が恐るべき放射能汚染の現状といえる。大自然にはない現象を人間の知恵でムリヤリに発生させた結果は、人間の手に負えない放射線の発生となる。水素爆弾は核融合で超巨大な破壊力を発生させるというが、その核融合を可能にするためには先に核分裂のエネルギーを利用しなければ不可能である。とすれば、核分裂こそは自然に対する勝ち目のない反逆行為であり、人智の限界を知らぬ暴挙にちがいないだろう。
 
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万年哲学者(Always Philosopher)

Author:万年哲学者(Always Philosopher)
 "万年哲学者" を自任する80代が半世紀かけて解明した"いのち" の真実を、若者たちに伝えるために発信するブログです。"真実" とは100年経っても価値を失わない発見や表現を意味しています。

 25年前の1991年には日本情報処理開発協会主催公募エッセイ「私たちのくらしと情報化」が最優秀賞を受賞したことがあります。(ブログ内で原文をリンク)情報を心の栄養とみて健全な知情意を育成するために必要な情報論を展開し、その後の急激な情報化の潮流に対して問題点を先取りした内容と自負しています。

 戦後70年にあたる2015年8月、ボランティアで続けてきたHP<戦争を語りつぐ証言集>(http://www.geocities.jo/shougen60/) が延べアクセス23万回となり毎日新聞でも紹介されました。戦争やテロほど生命を破壊する所業はありません。

 今後は "超人類" へ飛躍する未来をひらく「生命の哲学」に関連ある情報を提供したいと願っています。

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