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米・中に踊らされる日本。複数のシンクタンクが見抜いたAIIBの真実=高島康司

(MONEY VOICE=2015.11.19)より転載(AIIB=中国主導のアジア・インフラ銀行)

欧米でも報じられない事実の報道で定評のあるのがロシアのシンクタンクである。特にロシアの政府系シンクタンク『ロシア戦略研究所』のような機関からは、驚くような内容の情報が手に入る。今回、そのような政府系シンクタンクの記事として、南シナ海の動きと「AIIB」の設立が実はリンクしていることを示唆したものが複数ある。
これらの記事によると、オバマ政権は中国に「AIIB」の設立を提案し、中国がそれを引き受ける見返りとして、南シナ海における中国の行動の自由を保証した可能性が高いというのだ。
これはアメリカが、南シナ海におけるシーレーンを中国のコントロール下におくことを容認したということだ。
もちろん、日本のようなアメリカの同盟国が中国脅威論を採用し、中国と緊張関係にあることがアメリカの国益になる状況が存在する限り、オバマ政権がこの事実を公表することは絶対にない。
アメリカは中国の同意を得た上で、南シナ海における見かけ上の緊張関係を演出することだろう。

現実性のない構想~安倍政権は嵌められたのか
さて、もしこのような状況が事実だとするなら、日本の安倍政権の現状認識は根本から間違っていることになる。
何度も書いたように、安倍政権の基本的な外交政策になっているのは、仮想敵国である中国の脅威論、ならびにこの脅威に対処するために、中国を日本とアメリカ、オーストラリア、インドなどの同盟国で封じ込める「安全保障のダイアモンド」構想である。
だが、もしアメリカが中国の一部覇権を容認し、南シナ海の南沙諸島の管理権を中国に本当に委ねたとしたのなら、この構想はまったく現実性のないものになることは間違いない。反対に、こうした新しい情勢に適応するためには、中国脅威論とそれに基づく中国封じ込め構想をいち早く破棄し、中国との協調関係の構築へとシフトすることが迫られるはずだ。
中国との合同演習を実施しているアメリカやオーストラリア、そして南沙諸島の中国の進出に対して抑制的に対応したASEAN諸国などを見ると、すでにこの新しい現実を受け入れているかのような印象を抱かせる。
だが、安倍政権下の日本は、このような現実的な対応をすることはできないと見た方がよい。なぜなら安倍政権は、中国の脅威を最大限に煽ることで国内のナショナリズムを鼓舞し、それを支持の基盤にしている政権だからだ。
このナショナリズムの高まりを利用して憲法を改正し、戦後の平和国家の枠組みを破棄して戦前型の天皇制国家を復権させることが安倍政権の最終的な狙いである。
そのような安倍政権なので、新しい状況に適応するために、中国脅威論を引っ込めることはまずできないはずだ。それは、政権の支持を固め、戦前型国家の復興という目標を実現するためのツールであるナショナリズムを実質的に放棄することになる。
ということは、情勢がどのように変化しようとも、安倍政権は中国脅威論を強く主張し、そうしたイメージを国内で広く喧伝し続けるはずだ。

幻想に閉じこもる安倍政権と日本国民
もし安倍政権がこうしたイメージを自ら信じ込み、これに基づき政策の判断を行うようになると、大変に危険な状態になる。これは戦前と同じようなメンタリティーではないだろうか?
1941年12月、アメリカのGDPが日本の20倍であるにもかかわらず、日本は真珠湾攻撃を行った。これは、アメリカに大きな一撃を与えるとアメリカが戦意をなくすので、きっと有利な終戦の講和に持ち込めるはずだという、何の根拠もない希望的な観測に基づいていたことはよく知られている。
実際はこのまったく反対であった。真珠湾攻撃は、「日本をたたきつぶす!」というアメリカ国民の強い戦意を刺激した結果になった。
これは、とてつもない判断ミスである。このようなミスが犯された原因は、判断が客観的な現状認識ではなく、希望的な観測といういわば自らが作り出した幻想に基づいていたことにある。
自分が信じ込みたい都合のよい現実を最優先し、これに合わない客観的な事実をあえて無視するというメンタリティーだ。
いま憲法改正や秘密保護法など安倍政権の戦前回帰的な方向性が問題にされているが、実はもっとも危険なのは、都合のよい現実に閉じこもり、客観的な事実を無視するというメンタリティーではないだろうか。
そして安倍政権は、彼らにとって都合のよい現実認識を国民が共有するようにマスメディアに介入し、事実とは異なった報道をするように誘導している。
これは大変に危険な方向だ。将来、とてつもないミスを犯す危険性があると言わねばならない。





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万年哲学者(Always Philosopher)

Author:万年哲学者(Always Philosopher)
 "万年哲学者" を自任する80代が半世紀かけて解明した"いのち" の真実を、若者たちに伝えるために発信するブログです。"真実" とは100年経っても価値を失わない発見や表現を意味しています。

 25年前の1991年には日本情報処理開発協会主催公募エッセイ「私たちのくらしと情報化」が最優秀賞を受賞したことがあります。(ブログ内で原文をリンク)情報を心の栄養とみて健全な知情意を育成するために必要な情報論を展開し、その後の急激な情報化の潮流に対して問題点を先取りした内容と自負しています。

 戦後70年にあたる2015年8月、ボランティアで続けてきたHP<戦争を語りつぐ証言集>(http://www.geocities.jo/shougen60/) が延べアクセス23万回となり毎日新聞でも紹介されました。戦争やテロほど生命を破壊する所業はありません。

 今後は "超人類" へ飛躍する未来をひらく「生命の哲学」に関連ある情報を提供したいと願っています。

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